マイホームを検討する際に、注文住宅を建てたいけれども、利便性やセキュリティを考えるとマンションも捨てがたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
マイホームをマンションにするか、戸建にするかどうかはそれぞれの特性のどこの部分を重視するかで決めると思います。
マンション・戸建てを選んだ理由のトップ5をそれぞれ見てみますと
マンションを選んだ理由トップ5
1位:防犯性(セキュリティ)
2位:最寄駅からの距離
3位:管理面
4位:生活環境
5位:防災性
一戸建てを選んだ理由トップ5
1位:住戸の広さ
2位:間取り
3位:駐車場
4位:物件価格
5位:最寄駅からの距離
というランキングが出ています。
一戸建てではホームセキュリティが普及してはいますが、マンションは二重、三重のセキュリティが当たり前でありセキュリティ面ではマンションが有利です。
一戸建ての場合ですとマンションの平均建物面積が70㎡前後に対して、一戸建ての場合は全てのエリアで90㎡以上ですので広さは一戸建ての方が有利です。
そんな中でマンションと戸建ての良さを併せ持つ「コーポラテイブハウス」が今人気を集めつつあります。
コーポラテイブハウスとは、住宅取得希望者が集まって「組合」を結成して、自らが事業主となって希望するマンションを企画して建築する新しい住宅の形になります。
この記事ではコーポラテイブハウスのメリットとデメリットについて説明していきます。
コーポラテイブハウスのメリット
コーポラテイブハウスは従来型の建築では難しかったことを実現できます。
■自由に設計ができる
注文住宅のように自由に設計できるというのが、大きなメリットです。
これまでは自分の希望を叶えるためには一戸建ての注文住宅でないと難しかったですが、コーポラテイブハウスなら建築前の設計の段階から自分の希望を伝え、注文住宅と変わらない満足感を得る事ができます。
■価格が明確で透明性がある
分譲マンションを購入する場合ですと、その土地の取得費用や建築費用がいくらかかっているかは知る事ができません。
コーポラテイブハウスの場合ですと購入希望者自身が主体となって設計や施工をしていくので、それらの費用がいくらかかったかどうかなどは明確に分かります。
あらかじめ、購入する人も決まっている為、広告宣伝費もかかりませんし、モデルルームなどの余分な費用をかける事無く、合理的な価格で購入する事が可能です。
■住民同士の一体感がある
コーポラテイブハウスの場合ですと購入希望者全員で意見を出し合って建築を完成させるため、設計や建築段階で独特の一体感が生まれますので、完成して入居してからも良好な人間関係、近所づきあいをする事ができます。
コーポラテイブハウスのデメリット
メリットが多いコーポラテイブハウスですが、メリットがある分、デメリットもあります。
分譲マンションの場合ですと対象を限定しない基本的な仕様になるので、将来的に売却する際にも、比較的に買い手が見つかりやすいです。
コーポラテイブハウスの場合ですと、自分好みの設計が可能という部分で個性的な物件となる事もある為、その場合はなかなか買い手が見つからないという事もあります。
コーポラテイブハウスが完成するまでの流れ
コーポラテイブハウスは注文住宅とも分譲マンションとも違う独自の方式によって完成します。
大まかなコーポラテイブハウス完成までの流れを見てみましょう。
①企画立案と参加者募集
コーポラテイブハウス事業を企画運営している不動産会社が、土地の選定や建築するコーポラテイブハウスの企画を立案してそのコンセプトに賛同する購入希望者を募集します。
企画する会社は購入募集者を募る為に説明会などを開催して、希望者はそこで企画の詳細を確認して、事業に賛同するかどうかを決めます。
②建設組合の設立
企画に賛同した購入希望者によって「建設組合」を結成します。
その建設組合が主体となってコーポラテイブハウスの設計・施工を発注します。
③住まいを自由に設計
自分が居住する空間について、設計者と直接打ち合わせを行い、自分のライフスタイルに合ったものを設計し施工してもらいます。
この際には、間取りだけでなくキッチン、バスルームなどの設備に関しても選ぶ事ができます。
④物件の引渡し
希望した通りに物件が完成しているかどうかを確認したら引き渡しを受けます。
購入の一連の流れに関しては、企画した不動産会社がサポートしてくれますので、安心です。
まとめ
コーポラティブハウスは1921年に制定された「住宅組合法」により、日本では始まったという歴史はありますが、当時はなかなか機能せず、一戸建てが主流となっていました。
1958年には財団法人日本労働者住宅協会が設立され、それを追うように民間のプロデュース会社が出現して都市圏ではコーポラティブハウスが建築されるようになりました。
そんな中でマンションと戸建ての良さを併せ持つ「コーポラテイブハウス」が今人気を集めつつあります。
メリット・デメリットはありますので、しっかり理解して検討しましょう。