最近、孤独死のニュースを見る事も増えてきました。

高齢化社会に伴い、孤独死が増えているという事が考えられます。

不動産投資を始めて入居者が孤独死で亡くなってしまう事は絶対にないわけではないです。

多くの人は孤独死と向き合うことはほとんどないと思いますし、今一つ現実味に欠けてイメージできない部分はあると思います。

ただ、現実的には年間で1,000人以上の人が孤独死されていますので、身近で起こるかもしれません。

不動産オーナー側からすると所有の物件で孤独死が起こった場合はどうなるのだろうと考えさせられる部分ではあります。

実際に私も孤独死の現場に立会い、次の入居者が決まるまでのお手伝いをした事があります。

この記事では不動産オーナー側は孤独死が起こったらどうなるのか?孤独死対策として不動産オーナーができる事について書いていきたいと思います。

目次

そもそも孤独死って何?

孤独死は一人暮らしの人が誰にも気づかれずに一人きりで死ぬことです。

どういった経緯で起こるのかというと日常生活における突発的な体調の悪化やケガなどにより自室内で死亡に至る事が多いです。

この孤独死ですが法律上孤独死という定義や概念はなく、警視庁の死因統計上では「変死」に分類されます。

孤独死という分類で括ると事件性もある死も孤独死とされてしまう可能性が高まるからと言われています。


孤独死の費用の負担は誰がする?

住人が孤独した場合に発生する費用は誰が負担するのかと言いますと

・遺族「相続人」

・保証人

・不動産オーナー

この中の人が孤独死の費用負担をする事になります。

原則としては遺族「相続人」が負担する事になりますが、相続には相続放棄とい選択もできる為、相続放棄された場合は相続人には請求できないです。

そうなると保証人に請求する事になり、保証人はオーナーからの請求を拒否できないので大半の場合は保証人の負担でおさまる事が多いです。

ただ、保証人を立てていない場合は不動産オーナー側が費用を負担する事になります。

孤独死が起こった時の費用は入居者の保険でカバーできる

名称や保険内容は色々とありますが、孤独死が起こった時に発生する清掃費用やリフォーム費用等は入居者が加入している保険でカバーできます。

入居者は入居する際に必ず火災保険に入る事になります。

この保険は基本的にはお部屋の中のトラブルに対しての補償内容となっていますが、最近ですと孤独死の場合の費用に関しても補償してくれます。

例えば、日本少額短期保険の「みんなの部屋保険G」という保険があります。

補償額は100万円が基本となっておりますので、清掃費用やリフォーム費用は十分カバーできます。

もし、入居者が保険の更新をしておらず保険に入っていなかったとしても不動産オーナーが不動産を購入する際に保険に入っていればその保険を使えますので、費用の負担は心配はいらないです。

私が孤独死現場に立ち会った際は入居者の方の保険ですべて費用は払う事ができましたので、オーナー側の負担はなかったです。

孤独死は事故物件になる?

事故物件と聞くと自殺や事件などで人が亡くなっている物件をイメージすると思います。

孤独死などの自然死が起きた物件は事故物件なのでしょうか?

これに関しましては厳密な規定がないので事故物件と表現するところもあれば事故物件と言わないところもあります。

次の入居者を募集する際には心理的瑕疵ありという表現を使います。

心理的瑕疵というと自殺や殺人が起こったという事も含まれますが、近隣に暴力団の事務所がある、風俗店があるなど人それぞれ心理的に負担に感じる事は違いがありますので総称して「心理的瑕疵あり」と表現する場合があります。

事故物件や心理的瑕疵ありの物件に関しては告知義務が生じる為、告知して入居募集する事になります。


入居募集して分かった事

心理的瑕疵ありという形で入居募集すると

・入居が決まらない

・家賃を半額にしないと入居が決まらない

と思うのが普通だと思いますが、そんなことはありません。

実際に心理的瑕疵ありという告知をしながら募集したところ次の入居者が決まるまで2ヵ月もかからなかったです。

家賃に関しては3,000円下げた状態でしたが、半額まで下げなくとも入居は付きました。

これは募集する不動産賃貸会社の入居募集の戦略で早く入居者を決めれるかどうかは変わると思います。

入居を決めてくれた不動産賃貸会社によると孤独死という理由であれば特に気にしない方もいらっしゃるようです。

孤独死で家賃が下がっている物件は意外と入居希望する方もいらっしゃるようなので、入居が決まらないという事はないです。

まとめ

この記事では不動産オーナー側は孤独死が起こったらどうなるのか?孤独死対策として不動産オーナーができる事について書いてきました。

孤独死が起こった場合の内装費用関係は保険でカバーする事が可能です。

不動産オーナー側として心配な次の入居募集ですが、任せている不動産管理会社がしっかりと戦略的に募集をしていれば空室が長引く事はありませんので心配はいらないです。

孤独死に関してはこちらの記事にも書いています。

賃貸住宅において孤独死が発生した場合はどうなる?