不動産への不正融資が発覚してスルガ銀行が金融庁の処分によって不動産融資の6ヵ月停止になりましたが、融資をして利益を得る金融業の銀行が融資するのを止められるのはよっぽどの事です。

そこから悪い話はどんどん出てきて

・保有する資産を把握せず具体的な返済計画も検証せずに融資

・顧客が実は反社会的勢力と発覚した後もカードローンを使わせて新規口座開設を見逃していた

などの企業としての資質を問われる事態となっています。

事の発端はニュースで大きく取り上げられた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる投資トラブルでした。

約束した家賃が得られないという問題が表面化したからです。

そこから金融庁が建設資金の大半を融資していたスルガ銀行への立ち入り検査を進めていき、行員の審査書類の改ざん、偽の契約書であることを知りながら融資の実行を露呈したりと「法令順守を軽んじ不正行為をまん延させる企業文化が熟成された」という結論に至っています。

このスルガ銀行の影響で収益不動産を扱う金融機関への警戒をいっそう強め、融資環境がより厳しくなる可能性が高まったという結果につながっているようです。

この記事では不動産投資ローンの審査が厳しくなり今後は借りれないのかについて書いていきたいと思います。

目次

不動産投資家に聞いた融資状況の変化

不動産投資と収益不動産の情報サイト 健美家「けんびや」「第9回不動産投資に関する意識調査結果報告」によりますと

不動産投資家向けの質問で「金融機関の融資状況について変化を感じる事がありますか?」の問いに対して「厳しくなった」という回答が43.3%でこの数字は前年同時期に比べると2倍以上になっています。

厳しくなった理由としては「フルローンでの融資が出にくくなった」が55.7%「今まで融資が通っていた属性条件(年収・金融資産)では融資がおりなくなった」という回答が50.4%となっています。

こういった調査結果からも融資状況は大きく変わってきているようです。


シェアハウス投資問題の融資環境への影響

金融機関が融資を縮小していっている原因としては要因は一つではないですが、「かぼちゃの馬車」問題が挙げられます。

問題発覚後、このビジネスモデルを展開していた不動産会社だけでなくスルガ銀行の責任が問われる形になり、ずさんな審査や書類改ざんを裏付けする結果となってしまいました。

この一連の流れを受けて他金融機関も不動産投資向けの融資はますます慎重になっています。

大きな影響としては融資の金額が低くなったことや年齢に制限を設ける金融機関が出てきたり、個人的に感じるのは審査する期間が長くなったという部分です。

売却する側としての影響も大きい

不動産を所有していて手放したいという方にも影響は出てくると思います。

ワンルームマンションの投資用不動産は買取再販業者が積極的に買い取るケースが多かったです。

買取再販業者とは転売を目的に不動産を買い取る業者の事で、買い取って転売して新たな客から利益を得るというビジネスモデルです。

ここ数年は積極的に買い取る業者が多数あったので、物件を手放したい側からすると売れる絶好の機会でした。

積極的に買い取ってくれる理由としては買い取った後に融資付けをして販売できたからです。

今後は金融機関の融資に制限が出てくる為、売りたくても売れないという現象が起こる可能性もあります。

今後、金融機関の融資を受ける為には?

金融機関の融資を受けるには重要なのは物件の担保評価です。

金融機関で物件の担保力を審査する際に物件の周辺の取引の実績とともに収益性も担保として評価します。

不動産から得られる利益が黒字であり将来的にも安定していると判断されれば担保として評価が高くなります。

不動産投資ローンの場合ですと家賃がしっかりとれるかどうかが重要です。

不動産なので場所は動かしようがないのでまず立地です。

立地がしっかりしていればフルローンで融資を受けれる金融機関もあります。


まとめ

この記事では不動産投資ローンの審査が厳しくなり今後は借りれないのかについて書いてきました。

確かに今回の問題を受けて金融機関の審査は厳しくなりますが、立地が良く、家賃がしっかりとれる物件であれば今後も融資は受けれる事が可能です。