長年の勤務に対する会社からの報奨金である退職金ですが、給与や賞与と同じように税金として差し引かれる分があります。

もし、退職金を見込んで、転職や退職を検討されている方がいらっしゃるのであれば、自社でもらえる金額については事前に確認しましょう。

就労条件総合調査(厚生労働省)によると定年退職金の平均額に大幅な減少傾向にあるとデータが出ています。

大学卒の事務・技術職の退職金の平均金額は

2003年は2499万円

2008年は2280万円

2013年は1941万円

と大幅な減少傾向にあり退職金の減少は企業の規模をとわず起こっています。

企業の規模で表しますと

1000人以上の企業規模では退職金の平均が2290万円

300人~999人の企業では1795万円

100人~299人の企業では1250万円

10年以上前の退職金の平均額は

1000人以上の企業規模では退職金の平均が2779万円

300人~999人の企業では2329万円

100人~299人の企業では1795万円

でしたので特に100人~299人の企業に関しては500万円以上も減っており、もともと大企業に比べると低かった退職金がさらに低くなったという結果です。

こういった退職金が減少傾向にある中で税金が差し引かれますので、税金を差し引いた状態でいくらもらえるかは確認した方が良いです。

この記事では退職金の基礎知識として退職金制度についてと税金に関して説明します。

退職金の制度の種類

勤めている会社に退職金制度がある場合は、退職金の支給方法としては2通りの方法が一般的です。

■退職一時金制度

従業員が退職する際に、一度にまとめて退職金を支給する制度で、一般的にイメージされる退職金制度はこの制度です。

■企業年金制度

退職金を一度に支給するわけではなく、年金のように数年にわたって支給する制度です。

企業年金制度には、厚生年金基金・確定給付年金・確定拠出年金の三種類があり、近年では確定拠出年金を導入する企業が増えています。

退職金にかかる税金と控除

退職金は支払われる際に、所得税及び復興特別所得税や住民税が、源泉徴収又は特別徴収されます。

源泉徴収:個人に代わって、給与や報酬などの支払いを行う者が関係する税金を差し引いて納税する方法

特別徴収:地方税の徴収方法で、給与や報酬などの支払いを行う者が関係する税金を差し引いて納税する方法

ただ、退職金のすべてに課税されるわけではなく、退職金は長年の労働に対する一時的な報酬の為、退職所得控除がある他、他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなるように配慮されています。

 

税金の計算方法は?

退職金の計算方法としては

退職金額から、退職所得控除額を差し引いた額に、1/2を掛けて、課税退職所得金額を算出

これに所得税の税率を掛けて、控除額を差し引いた残りの金額が所得税額(基準所得税額)となります。

この金額と基準所得税額に2.1%を掛けて足し合わせた金額が、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額となります。

役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払いを受ける者については、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が課税退職所得金額となります。

退職所得控除額の計算方法

■勤続年数 20年以下 退職所得控除額 40万円×勤続年数

■勤続年数 20年超 退職所得控除額 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

勤続年数に1年未満の端数がある時はたとえ1日でも1年と計算します。

計算した金額が80万円未満の場合は退職所得控除額は80万円となります。

障害者となったことに直接起因して退職した場合は計算した金額に100万円を加算した金額になります。

所得税の税額表

195万円以下は、税率5%で控除額0円

195万円超~330万円以下は、税率10%で控除額97,500円

330万円超~695万円以下は、税率20%で控除額427,500円

695万円超~900万円以下は、税率23%で控除額636,000円

900万円超~1800万円以下は、税率33%で控除額1,536,000円

1800万円超~4000万円以下は、税率40%で控除額2,796,000円

4000万円超は、税率45%で控除額4,796,000円

退職金の計算例

■20年勤務、退職金が1,000万円の場合

退職所得控除額:40万円×20年(勤続年数)=800万円

課税対象額:1,000万円-800万円×2/1=100万円

所得税額(復興特別所得税含む):100万円×5%×102.1%=51,050円

住民税額:10万円(都道府県民税=100万円×4%=4万円、市町村民税=100万円×6%=6万円)

■39年勤務、退職金が2,500万円の場合

退職所得控除額:800万円+70万円×(35年-20年)=1850万円

課税対象額:(2,500円-1,850万円)×2/1=325万円

所得税額(復興特別所得税含む):(325万円×20%-427,500円)×102.1%=227,172円

住民税額:32.5万円(都道府県民税=325万円×4%=13万円、市町村民税=325万円×6%=19.5万円)

まとめ

退職金にかかる税金の計算方法について説明してきました。

退職金には退職所得控除があり、ある程度負担する税金の金額は優遇されてはいますが、退職金が大きいと負担する税金も大きくなります。

実際に退職金はどのくらいもらえるのか?

引かれる税金はいくらなのか?

この二点を確認して退職後のライフプランを考えましょう!!