繰り上げ返済とはどういったものになるかと言いますと本来の返済額とは別枠で任意の金額を返済する事です。
金融機関によっては繰り上げ返済の返済手数料がかかる場合もありますので注意が必要です。
繰上返済の効果としては繰り上げ返済した場合はその分は元金の返済に充当されます。
元金が減った分元金をもとに計算されて利息も減るので毎月の返済額が減ったり、返済期間を短縮できるという効果があります。
繰り上げ返済を考えた場合、現状の金利や返済方法、家庭における現金の蓄え具合によっては繰り上げ返済をしない方が良い場合もあります。
例えば、子供の学費がかかる時期が近づいてきているのに繰り上げ返済をしても家庭を圧迫するだけになります。
ある程度の繰り上げ返済をできるだけのまとまった現金ができたらまずは返済した場合としない場合での削減できる利息の減額幅や短縮できる期間をシュミレーションした上で検討した方が良いです。
この記事では繰上返済は上手くいかないのが実情について書いていきます。
繰上返済は上手くいかないことが多い
住宅ローンを組む人は若い夫婦が多いです。
新婚か、子供がいない状態か、もしくは子供がいてもまだ小さいという夫婦ばかりです。
子供が小さいうちはほとんどお金はかかりません。
お金をかけようと思えばいくらでもかける事は出来ますが、安く済ませようとすれば安くで済みます。
行政などが行う子育て支援も小さな子供に対しては手厚くなっています。
児童手当や子供の医療費助成制度は小学生や中学生までが対象となっています。
本当にお金がかかるのは義務教育を終えた高校生以上になります。
住宅ローンを組んだ時は途中で繰り上げ返済をして早期完済を目指そうと計画していても子供にお金がかかり繰上返済ができないケースが多いです。
お金を貯める習慣については
の記事も参考にどうぞ。
住まいの窓口
学費の目安は?
文部科学省の子どもの学習費調査によりますと幼稚園~高校までの費用がどのくらいかかるのかが目安として分かります。
■幼稚園
1年あたりの平均:22万780円
■小学校
1年あたりの平均:30万3,566円
■中学校
1年あたりの平均:45万9,839円
■高校
1年あたりの平均:39万1,756円
高校までの費用としては公立ですべて進学した場合で私立になるともっとかかります。
特に6年間通う小学校については差がかなり出てきます。
さらに大学になるとさらに費用が大きく変わり、日本政策金融公庫の教育費負担の実態調査によりますと
■大学の費用
短大:381万4,000円
国公立大学:516万3,000円
私立大学(文系):688万円
私立大学(理系):803万円
すべて公立校に進んだ場合でも子供の学費は1,000万円を超えていきますので住宅ローンの返済計画は当然のことで繰上返済の計画もしっかり立てる必要はあります。
子供の学費に備えるには学資保険という方法もありますので、教育資金作りにこども保険の記事をどうぞ。
繰上返済は力を入れすぎると失敗する
将来的に繰上返済が難しくなるのであれば子供が小さいうちにどんどん繰上返済をすればいいのではないかという発想は危険です。
繰上返済をしすぎると子供が大きくなった時に貯金がなくなりお金がなく教育ローンを新たに組みさらに生活を圧迫する事もありますので注意が必要です。
住宅ローンは借りる額が重要
住宅ローンは金利が低くて長期で借りる事ができるとても有利なローンです。
なかなか今の時代でここまで低金利の商品はありません。
繰上返済はなかなか難しい部分がありますので、家を買う時に繰上返済をする事を前提にプランを立てるのも良いですが、焦って返済する必要はないと思います。
例えば45歳から35年ローンを組んだ場合は80歳で完済となりますので、会社に勤めている20年の間になんとか早く返済しないといけないと思いがちですが、早く返済しないとという気持ちは給与収入が途絶えてしまう事の恐怖感からきていると思います。
住宅ローンの支払いができなくなるのが怖いわけですが、この恐怖感は多額の住宅ローンを組み月々の支払いが大きいから来るものだと思います。
もし、住宅ローンを組む際に物件の金額を抑えていたらどうでしょうか?
当然、月々の支払いは安くなりますし、場合によってはお金が余る事もあるかもしれません。
何事も最初が肝心で、もし繰上返済をする事を前提として計画を立てる場合は物件を選ぶ際に欲を出さずに月々の支払いが無理なくできる事と住宅ローンを返済しても余裕ができる物件の価格で検討すると良いと思います。
住宅ローンを利用する際の注意点については
の記事をどうぞ。
まとめ
この記事では繰上返済は上手くいかないのが実情について書いていきました。
繰り上げ返済をして早期完済を目指そうと計画していても子供にお金がかかり繰上返済ができないケースが多いので、住宅ローンを利用する場合は借りれる枠いっぱいまで借りるのではなく、月々の住宅ローンを返済してもある程度余裕が残る物件金額にしましょう。