年金は何歳から受け取るのが、いいのか?

国民年金の老齢基礎年金には、65歳前から受け取ることができる「繰上げ支給」と65歳より後に受け取ることができる「繰下げ支給」の制度があります。

多くの人が希望する方法としては、繰上げて受け取りたいという希望ですが、繰上げ支給をすると一生涯の年金額が減額されてしまします。

一方、受け取るタイミングを繰下げると一生涯の年金の金額は増額されます。

この記事では公的年金の繰上げ支給と繰下げ支給について説明していきます。

 

 

 

この記事の内容

1.老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ支給

2.繰上げ支給の場合のデメリット

3.老齢厚生年金の繰上げ支給

4.報酬比例部分および本来の老齢厚生年金の支給繰上げの対象者

5.老齢厚生年金の繰下げ支給

6.まとめ

 

 

老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ支給

老齢基礎年金の受給開始年齢は原則として65歳です。

希望すれば、それより前に受給を解する事「繰上げ支給」や66歳以降に受給を始めること「繰り下げ支給」も可能です。

繰上げの場合は年金額が繰上げ月数1カ月につき0.5%減額され、繰下げ支給の場合は繰下げ支給1カ月につき0.7%増額されます。

繰上げの場合は最大5年間「60カ月」分の30%減額されて、繰下げの場合は最大5年「60カ月」分の42%が増額されます。

・繰上げ支給

繰上げ月数1カ月につき0.5%増額

最大5年間「60カ月」分の30%減額

・繰下げ支給

繰下げ支給1カ月につき0.7%増額

繰下げの場合は最大5年「60カ月」分の42%が増額

ただし、繰上げの場合は60歳に達する前に受給開始することはできません。

繰上げ支給の場合のデメリット

繰上げ支給の場合のデメリットとしては次のようなものがあります。

①減額された支給額が一生涯続く

②繰上げ支給の受給権発生後は、障害者や寡婦になっても原則として障害基礎年金や寡婦年金の受給権が取得できない

障害者年金:公的年金に加入し、一定の保険料納付要件を満たし、かつ障害の状態などの障害年金の支給条件を満たしている方が受け取れるもの

寡婦年金:一般的には一家の大黒柱であった夫と死別した妻に支給される年金のこと

老齢厚生年金の繰上げ支給

老齢厚生年金には

60歳代前半に支給される「特別支給の老齢厚生年金」

65歳から支給される「本来の老齢厚生年金」

に分かれます。

平成28年度に60歳になった昭和31年4月2日から昭和32年4月1日までに生まれた男性は62歳から特別支給の老齢厚生年金「報酬比例部分」が支給されます。

この老齢厚生年金も支給開始年齢を繰り上げることができます。

特別支給の老齢厚生年金「報酬比例部分」の本来の支給開始年齢が61歳以後である世代の場合ですと60歳まで支給開始を繰り上げることができます。

また、特別支給の老齢厚生年金「報酬比例部分」が支給されない世代も60歳まで繰り上げることができますので、減額、増額の仕組みとしては老齢基礎年金と同じです。

増額と減額いずれの場合でも老齢厚生年金の支給開始を繰り上げる場合ですと合わせて、老齢基礎年金の支給開始も同時に繰リ上げなければなりません。

例えばですが、本来62歳から特別支給の老齢厚生年金「報酬比例部分」が受給できる場合は60歳に支給開始を繰り上げると、老齢厚生年金は24カ月の繰り上げであるので減額率は12%「24カ月×0.5%」ですが、老齢基礎年金は60カ月の繰上げとなりますので、30%「60月×0.5%」減額されます。

在職中であっても老齢厚生年金の支給開始を繰り上げることは可能です。

 

 

報酬比例部分および本来の老齢厚生年金の支給繰上げの対象者

特別支給の老齢厚生年金「報酬比例部分」の繰上げ

61歳ないし64歳に達した時から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができる者

「昭和28年4月2日~昭和36年4月1日の者」

65歳からの老齢厚生年金の繰上げ

特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができない者

「昭和36年4月2日以後の生まれの者」

老齢厚生年金の繰下げ支給

老齢厚生年金の受給権を取得した者が、その受給権取得の日から一年を経過した日前に老齢厚生年金を請求しないときは老齢厚生年金の繰下げ支給の申請をすることができます。

この時に障害厚生年金や遺族厚生年金を受給している人は繰り下げ支給の請求はできません。

また、在職老齢年金の受給権がある人が厚生年金保険の被保険者として働いている場合は収入が一定額を超えると減額調整されますが、この在職老齢年金の受給権者の場合は在職老齢年金の支給調整後の金額になります。

まとめ

公的年金の繰上げ支給と繰下げ支給について説明してきました。

年金を繰り下げると受給額が増額されますが、その分受給期間が短くなるわけです。

総受給額でみると

どっちが特で損であるかは言えませんが、老後の備えはまず、公的保障を正しく知ることです。

制度を誤って理解していると、老後の生活設計に支障が出ることがあります。