お部屋探しをする際に部屋を出る時はどうなるのか気になる方もいらっしゃると思います。

逆に入居する時の事だけに意識が行き過ぎてしまい、退去する際にこんな契約内容だったのかと慌てる方もいらっしゃるかもしれません。

契約する時も大事ですが、退去する時も考える事が大切です。

賃貸物件に住む平均居住期間はどのくらいかと言いますと公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の2017年上期集計データによりますと学生の賃貸住宅の平均居住期間で最も多いのが2~4年となっています。

専門学校生、短大生は2年間で4年制大学は4年間というのが一般的のようです。

ファミリーは2年~4年で最も多い約6割を占めますが4年~6年が約32%で6年以上が約16%となっておりある程度同じ賃貸住宅に住んでいることが分かります。

このようにある程度、住み続けたら住み替えや家庭環境の変化により引っ越しをするわけです。

同じ建物に一生住み続けるケースはあまりないと思います。

部屋を退去する際にはトラブルになるケースも多いです。

この記事では引越す時にトラブルにならないように知っておきたい知識について書いていきたいと思います。

不動産会社の退去時の立会の注意点

引越の荷物が出し終わったタイミングで退去立会いが行われます。

これは大家さんではなく管理している不動産会社が行う事がほとんどです。

退去立会を省略する会社もありますが、トラブルを避ける為にも退去する時は必ず退去者の立会のもと室内を確認しましょう。

部屋を貸した当初の状態に比べて室内に傷やへこみがないか故意に壊した部分はないかなど、確認してもらいます。

これは退去者から預かっている「敷金」の返金額を算出するための重要な調査であったり入居者が負担する分を確認する為のものです。

後々のトラブルにならないように立会では不動産会社の従業員と一緒に部屋の隅々まで目視で確認する必要はあります。

修繕やクリーニングが必要な箇所がある場合は証拠として不動産会社の従業員の目の前で写真を撮ると良いです。


敷金を払っているなら敷金の内容を理解しておく

「敷金」とは家賃などの債務の担保として預けておくもので保証金のような性質を持つものです。

例えば何らかの理由で家賃を払い続ける事ができなくなっな時に敷金で補填します。

また入居者が退去する際にお部屋の原状回復義務による修理負担分を敷金で賄われたりします。

賄った後に残金があれば入居者に返金したり、部屋に大きな破損などが無ければ返金してもらえますので、特別な特約がない限り返してもらう前提で話をしましょう。

ただ、敷引き契約になっている場合は敷引きのお金は戻ってきませんので注意が必要です。

敷金ゼロ物件に住んでいる方の場合は

敷金・礼金ゼロの物件は退去する時にお金がかかる?

こちらの記事もどうぞ。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を知っておこう

オーナーは預かった敷金から賃貸借契約で合意したクリーニング費用等を差し引いた金額を退去者に返却します。

退去時の際は原状回復という考え方に基づきます。

原状回復というのは借りたときの状態に戻すという意味です。

これまでは貸した側と借りた側のどちらが負担するかどうかなどたびたびトラブルはありました。

このトラブルを防ぐために国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という文書を定めています。

このガイドラインの中で原状回復とは

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を

超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義され、その費用は借りた側の負担とされています。

いわゆる経年変化、通常の使用による損耗などの修繕費用は賃料に含まれているとしています。

このガイドラインのポイントとしては「経年変化、通常の使用による損耗などの修繕費用」は敷金から充当できないところです。

不動産会社の中にはリフォーム代から発生する「仲介マージン」を狙っている悪徳な業者も存在します。

このガイドラインの存在を知っているだけでも悪徳な不動産会社からの余分な請求を防ぐ事が出来ます。

貸主負担と入居者負担の割合の考え方

基本的に経年劣化や損耗は貸主負担で入居者負担は故意・過失により生じた傷や損耗になります。

貸主負担

<例>

・壁に貼ったポスターなどの跡

・ルームクリーニング

・次の入居者を確保する為の設備の交換リフォーム

入居者負担

<例>

・タバコによる畳の焦げ跡

・引っ越しや家具の移動でついたフローリングの傷

退去時に費用を負担しない為にもできる事は他人の物を借りるわけですから、相当の注意を払って使用・管理する事です。

要は部屋の使い方が常識を外れていると退去時にお金を請求されますが、常識のある範囲で生活していれば請求されることはありません。

負担するのは誰?知っておきたい負担部分

全国の消費生活センターなどが受け付けた消費生活相談のうち、賃貸住宅の相談は平成26年度で約37,000件、平成28年度は約32,600件となっており、依然として高水準です。

内容としては原状回復のトラブルが一番多いです。

ただ、通常に生活していて発生するものは入居者の負担にはなりません。

負担の割合については細かく決まっていますので、チェックしておくと良いと思います。

【通常損耗は入居者の負担ではない】

・家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡

・テレビ・冷蔵庫などの後部壁面の黒ずみ「電気ヤケ」

・壁に張ったポスター、絵画の跡などによるクロスの変色、日照など自然現象によるクロス・畳の変色、フローリングの色落ち

・ポスターやカレンダーなどの掲示の為に使用した画鋲、ピン等の穴「下地ボードの張替えが不要である程度のもの」

・賃借人所有のエアコン設置による壁のビス穴・跡

・設備、機器の故障、使用不能「機器の寿命によるもの」

建物、設備の構造上発生するもの「その発生について入居者に責任がないもの」

・畳の変色、フローリングの色落ち、網入りのガラスの亀裂「日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの」

・エアコンの内部洗浄「喫煙等による臭い等が付着していない場合」

【通常損耗を超えるものは入居者の負担になる】

・飲みこぼし等の手入れ不足によるカーペットのシミ

・冷蔵庫下のサビを放置した床の汚損

・引っ越し作業などで生じた引っかき傷

・賃借人の不注意「雨風が吹き込むなど」による畳やフローリングの色落ち

・日常の清掃を怠った為に付着した台所のスス・油の汚れ

・結露を放置して拡大したカビ、シミ

・ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす

・クーラー「入居者所有」からの水漏れを放置して発生した壁などの腐食

・喫煙に起因するヤニ等によるクロス変色、室内への臭いの付着、エアコン汚れ

・重量物をかけるためにあけた壁などの針穴、ビスで下地ボードの張替えが必要なもの

・天井に直接つけた照明器具の跡

・落書きなどの故意による毀損

・ペットにより柱等に生じた傷、付着した臭い

・風呂、トイレなどの水垢、カビなど、日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備に毀損

・鍵の紛失または棄損による取り換え「シリンダーの交換を含む」

・戸建て住宅の庭に生い茂った雑草の除去


まとめ

この記事では引越す時にトラブルにならないように知っておきたい知識について書いてきました。

退去時の原状回復に関してはトラブルが多いのが現状ですので、余計なお金を請求されない為にもある程度の知識は必要です。

福岡市内にも悪徳な管理会社がありとんでもない内容の相談を受ける事もあります。

賃貸借契約に関しては「借地借家法」という法律で契約に関して規定されています。

この法律は貸す側よりも借りる側を守るというスタンスをとっており、貸主側には不利な内容になっています。

故意に部屋の中の設備を壊しておいて払いませんといった常識外れなことはしてはいけませんが、借りる側は法律によって有利になっている事は覚えておくと良いです。

退去時に関しての記事はこちらもどうぞ。

退去時お金かかる?賃貸物件を退去する際の費用の負担