長寿大国の日本では年金の支給開始年齢が引き上げになっていく中で、今後は年金開始は原則70歳からとなる可能性があります。

年金支給開始が引き上げになると70歳まで働くのが当たり前という世の中になります。

じゃあ、働ける期間が延びるから年金の支給額が減っても働けるから問題ないと考える方もいらっしゃると思います。

ただ、考えたいのは60歳を超えた時に今と同じように働くことは難しいですし、年齢を重ねれば体力も落ちていきますので、若いころのように体力はないですよね?

厚生労働省の「平成29年高齢者の雇用状況」によりますと全国の常時雇用労働数が31人以上いる企業15万6113社のうち希望者全員が65歳まで働ける企業は75.6%の11万8081社という結果が出ており、希望者全員が働ける会社は7割を超えているという高齢者が働くにはとても良い結果が出ています。

ただ、65歳以上まで働けるといっても正社員として働けるわけでなく、定年の年齢を延長したり定年制を廃止したりした企業は2割程度しかありません。

定年後も働けるからと言って何も備えずに老後を迎えた時に突然、再雇用制度も廃止という事もあり得るわけです。

そうなると個人の生活設計に大きな影響が出るわけで、今のうちに老後の生活費に備える事はとても重要となってきます。

老後の生活費に備える方法の一つとして個人年金保険で準備する方法があります。

この記事では老後の生活費に備える一つである個人年金保険について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

目次

個人年金保険とは?

個人年金保険は資産運用・年金の受け取り・万が一の保障の機能が一つになった生命保険商品です。

個人年金保険を運用期間中は万が一の場合は死亡給付金が支払われます。

運用期間の終了した後は運用の成果として年金を受け取ることができます。

個人年金保険の種類

個人年金保険の種類としては

定額年金保険:契約時に将来受け取る年金額または年金原資がほぼ確定するタイプ

変額年金保険:運用実績によって年金額が変動するタイプ

外貨建て個人年金保険:外国通貨により運用を行うタイプ

といったものがあります。

定額年金保険のメリット・デメリット

定額年金保険には5年ごと利差配当タイプと無配当タイプがあり、配当付きの場合は年金の上乗せが期待できます。

どちらも年金原資や年金額については元本保証がありますので、老後の生活設計が立てやすくなります。

保険料の支払い方法には毎月支払いの月払いが一般的ですが、年払いも可能です。

契約時に一括で支払う一時払いなどがあり、一時払いが最も返戻率が高くなります。

【定額年金保険のメリット】

定額年金保険の一番のメリットは安定性です。

景気によって年金原資が減ることがありませんので、老後の資金を確実に用意できます。

【定額年金保険のデメリット】

定額年金保険ののデメリットとしては途中で解約した時に支払った保険料より少ない金額しか返ってこない事です。

また、将来受け取る年金額が決まっているのはいい事ですが、契約時よりも年金受取り時の方がインフレになっていると実質的に受け取る年金価値が下がる事になります。

インフレに関してはこちらの記事もどうぞ。

物価がどんどん上昇!物価上昇に対してできる事

変額個人年金保険のメリット・デメリット

変額個人年金保険は定額年金保険と違い受け取れる年金の額が運用実績によって変動する点です。

現在、変額個人年金保険として販売している商品はほとんどが一時払いタイプの保険です。

契約時にまとまったお金を支払い、一定期間運用した後にその運用成果を年金原資として一定期間または終身で受け取るというものです。

一時払いの変額個人年金保険は銀行の窓口で多くの種類が売られており、中には年金原資あるいは年金額に最低保証があるものもあります。

【変額個人年金保険のメリット】

変額個人年金保険のメリットとしては運用実績が良いと年金額が増えて、さらに運用実績が良いと解約返戻金が増えます。

【変額個人年金保険のデメリット】

変額個人年金保険のデメリットとしては運用実績が悪いと年金額が減りますので、元本割れをすることもあります。

※最低保証により元本が保証される商品もありますので、要確認です。

そして、運用実績が悪いと解約返戻金も減る事になります。

外貨建て個人年金保険のメリット・デメリット

外貨建て個人年金は保険料の支払いや保険料の運用、保険金、年金、解約返戻金の受け取りを外国の通貨で行う保険ですが、基本的な仕組みは一般的な円建ての個人年金保険と同じです。

【外貨建て個人年金保険のメリット】

外貨建て個人年金保険のメリットとしては日本円よりも高い金利の通貨で運用するので、貯蓄性に有利です。

日本は世界的に見ても金利が低いと言えます。

外貨建て個人年金保険で取り扱う主流の外貨は米ドル、豪ドルですが、どちらも日本よりは金利が高い国ですので、円建ての生命保険よりも高い貯蓄性が期待できます。

外貨建て個人年金は予定利率が高いことも特徴です。

予定利率は保険における「運用利回り」の事です。

予定利率が高ければ保険料は下がる傾向にありますので、保険料は安いとされています。

【外貨建て個人年金保険のデメリット】

外貨建て個人年金保険のデメリットとしては為替手数料がかかるという事です。

外貨建て個人年金は保険料の払い込み及び保険料の受け取り時に円をドルに両替しますので、為替手数料がかかります。

この為替手数料は契約者負担で、保険会社によって異なりますが、1ドルにつき1銭~1円の為替手数料がかかります。

また、保険金受取り・満期・中途解約時に契約より円高になっていれば為替差損が発生してしまう可能性もあります。

外貨建て保険の注意点についてはこちらの記事もどうぞ。

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まとめ

この記事では老後の生活費に備える一つである個人年金保険について書いてきました。

個人年金保険は老後の生活に備えるには有効な方法だと思います。

個人年金保険で老後に備えている方は多いです。

個人年金保険と一言で言っても種類がありますので、現在加入している個人年金保険は元本保証があるのか?予定利率は?と言った部分をよく確認しておく必要があります。

保険の見直しを検討している方はこちらの記事もどうぞ。

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