債券とは広くお金を借りるために発行する有価証券(借用証書)のことです。
発行体によって名称が変わり、国が発行する債券を国債、地方自治体が発行するものを地方債
企業が発行する債券を社債といいます。
発行者、通貨、市場のどれかが海外の場合は外国債となります。
資金調達という目的においては株式と同じになりますが、大きく違うのは発行時に満期日や利率などが決められているということです。
債券を買うと利率分の利子を定期的に受け取ることができます。
満期となる償還日には額面金額分の投資金を受け取ることができます。
債券は満期日に投資した金額が返金されることが約束されている為、安全性が高い金融商品といわれています。
この記事では債券とは?どういったものなのか?について説明していきます。
利回りの仕組みは?
債券を買う場合、利率だけでなく、利回りに目を向けて投資することは大切です。
利息だけの定期預金とはちがい、債券で得られる利益は利息と売却益の2つがあります。
そのため、債券では、投資した金額に対して、一年あたり何%の利益を出す商品なのか?
その利回りで判断するわけです。
購入価格に対しての年間の利息と一年あたりの売却益がどのくらいあるかが利回りに相当します。
利回りの計算は
①一年あたりの利息
一年あたりの利息=額面×金利
②一年平均で得られた償還および売却で得た利益
(売却益-購入価格)÷保有年数
この①と②を合わせて購入した価格で割り、100をかけるのが利回りの計算式になります。
利回り(%)=[①利息+②<(売却益-購入価格)÷保有年数>]÷購入価格×100となります。
債券利回りは償還期日まで保有するのであれば事前に計算できますが、途中で売却してしまうと売却益や損失が大きく変わってきます。
割引債とは?
債券にはお金を預けたお礼の方法として定期的な利子と償還時に元本を返却する債券(利付債)と定期的な利子がつかない割引債というものがあります。
利付債がインカムゲインを得られるのに対して、割引債はキャピタルゲインを得ることができます。
この仕組みは額面から割り引いた安い価格で発行し、償還時に額面の金額を受け取れるという債券です。
例えば額面100円の債券を90円で販売し、償還期間が5年あれば5年後に100円を受け取るというものでこの場合、一年あたり2円の利益を得ることができます。
割引債は購入した時点ですでに差額が運用成果となり、福利運用の効果が見込めるのも魅力の一つとなっています。
国内債券では割引債が少ないですが、外国債券では品ぞろえが豊富になっています。
国債は国が発行する債券
債券と呼ばれる有価証券の中に国(政府)が発行するものを国債といいます。
債券の中で最も信頼性が高いですが、ほかの債権より一般的に利率は低く設定されています。
通常年に二回の利息が支払われ償還日(満期)に元本が受け取れます。
国債は発行から償還日までの期間により
短期国債(1年未満)
中期国債(2年~4年)
長期国債(5年~10年)
超長期国債(10年より長期の国債)
があります。
社債は金利が高いのが魅力的
企業は株式以外に社債でお金を集めます。
社債というのは企業が発行する債券のことでその特徴を簡単にいいますと定期預金よりも金利が高くなっており、株式よりもリスクが少ないということです。
社債も利付の国債同様、期日が来るまでの間は定期的に利息が入り、償還期日には元本が戻ってきます。
社債の魅力は企業が倒産しない限り利息が得られて、ある程度なら業績が悪くても利息を得ることができます。
ただし、リスクもありますので、金利が高い社債があったらすぐに飛びつくのはやめて企業の業績や資産状況の確認が必要です。
社債の特徴
メリット:国債などよりも利率は高めで株式同様に市場価格で売買が可能。償還日前の途中売買で元本よりも高く売れることもある。
デメリット:発行企業が破綻するとお金が戻ってこない可能性がある。償還日前に途中売買すると元本割れの危険性がある。株式市場よりも流動性が低いので、売却しても売れないことがある。
外国債とは?
外国債とは発行体、発行通貨、発行市場のいずれかが外国、または外国の通貨である債券の事です。
外国債には大きく分けて3つの種類があります。
■外貨建債券
元本の払込・利子の受け取り・償還のすべてが外債で行われる債券
■円貨建債券
購入時の払込・利子や償還金の受け取りがすべて日本円で行われ債券。
外債と言っても外貨建てではないので、為替リスクがないのが特徴です。
■二重通貨建債券
購入時の払込・利子や償還金の受け取りが二種類の通貨で行われる債券。
外債と円貨の両建てにすることで、為替差益が得られるメリットがあると同時に、為替差損のリスクを軽減できます。
まとめ
債券とは?どういったものなのかについて説明してきました。
債券には国債、社債、外国債といった種類があります。
国債や社債などの国内債券投資は株式投資に比べると価格変動リスクが抑えれれていることがメリットになります。