築年数は、マンションの資産価値に大きな影響を与えます。
基本的には築年数が古くなるほど、マンションの資産価値は下がるのが普通です。
古くなるのは仕方がありませんが、資産価値を下げない為にも建物の管理をどの会社が行うのかがとても重要です。
管理がずさんなマンションは実際の築年数より古く見えますが、管理がしっかりしているマンションは築年数より新しく見えます。
自分が住むための中古マンションを購入するときに、販売価格や周辺環境などの条件がほぼ同じなら、多くの人が、少しでも綺麗な物件を選ぶと思います。
これはマンションを売却する時も同じで、綺麗なマンションの方が買い手がつきやすいです。
この記事ではマンションの資産価値を下げない為に知っておきたい管理の知識について書いていきたいと思います。
目次
建物管理会社とは?
建物管理会社は管理組合の委託によりマンションの共用部分、またマンション全体の運営に関する管理を行う会社です。
おもな業務は「事務管理」「管理員業務」「清掃業務」「設備管理」です。
2001年に施行されたマンション管理適正化法によりマンション管理を事業として行う会社は国土交通省に登録することが義務付けられています。
現在は約2300社の管理会社があります。
管理会社がマンションの管理組合を顧客として提供するサービスの種類もほぼ同じです。
労働集約的なサービス業として特に大規模な設備投資が必要なわけではなかった為、大手から中小零細までこれまで多くの会社が参入しています。
建物管理会社は大きく分けて4種類ある
建物管理会社は大きく分けると4つのタイプがあります。
管理会社はその沿革によりデベロッパー系、ビルメンテナンス系、独立系、ゼネコン系の4つに分けられています。
それぞれの強みや特徴については一定の傾向があります。
建物管理会社はマンションを購入した後に管理の質が悪いといって別の会社に変える事は簡単にはできません。
変える場合は他の部屋の所有者の意向も加味しなければなりませんので、管理組合で一定数以上の賛成が必要になります。
変える事ができないからこそマンションを購入する際には建物管理会社はどんな特徴があるのかを知っておいた方が良いです。
デベロッパー系建物管理会社
デベロッパー系はマンションの分譲する不動産デベロッパー系はマンションを分譲する不動産会社が分離独立してできたところです。
親会社が販売してきたマンションの管理を安定的に大手中心で名前が知られている会社の多く、当該のマンションの設計や建設に関する情報入手しやすいという特徴があります。
逆に基本関係上親会社の意向に左右されやすく、管理組合ではなく親会社の方を向いて行動するケースも見られます。
ビルメンテナンス系建物管理会社
ビルメンテナンス系はオフィスビルのメンテナンス業から展開してきたところです。
その為、設備のハード面に関する専門スタッフが豊富なのが特徴です。
他方で管理組合の運営サポート等ソフト面はやや弱いとこがあるといわれます。
独立系建物管理会社
独立系は特定のデベロッパーに属さない管理会社で中小企業が多いです。
系列管理会社を持たないデベロッパーから受注したりリプレイス(管理会社の変更)を仕掛けたりすることで事業を拡大してきた。
低価格をセールスポイントとしているとこが多く立場も中立です。
ただし低価格で業務の質が伴わなかったり大規模修繕等工事の受注狙いといった面があるといわれます。
ゼネコン建物管理会社
ゼネコン系はマンション工事を多く手がける建設会社ゼネコンが設立した管理会社です。
親会社が施行したマンションも受託するケースが多く建築や設備などハードに詳しいのが強みです。
一方でデベロッパー系と同じで工事がらみで問題があった場合、管理組合より親会社の意向を優先する面があります。
建物管理会社の特徴まとめ
それぞれの建物管理会社の特徴をまとめると以下のようになります。
【デベロッパー系の特徴と強み】
・大手が多い
・親会社が販売したマンションの管理業務を安定的にできる
・建物や設備に関する情報が入手しやすい
注意点
・親会社の意向に左右され管理組合よりも親会社の利益を優先しがちな面もある
【ビルメンテナンス系の特徴と強み】
・清掃や建物設備などハード面の経験が豊富
・建築や設備関係の有資格者が多い
注意点
・管理組合の運営サポートとソフト面に不慣れな面が見られることもある。
【独立系の特徴と強み】
・低価格をセールスポイントにしているところが多い
・他の管理会社からのリプレイスを積極的に仕掛ける
注意点
・低価格で業務の質が伴わないこともある
・管理委託品を安くしているが大規模修繕等工事関係で収益を上げようとすることもある
【ゼネコン系の特徴と強み】
・会社が成功したマンションの管理業務比較的安定してできる
・建物や設備に関する情報が入手しやすい
注意点
まとめ
この記事ではマンションの資産価値を下げない為に知っておきたい管理の知識について書いてきました。
建物管理会社の特徴などの傾向を知っておく事はマンション購入時の判断材料になります。
ただ、これはあくまで一般的な傾向です。
例えば同じデベロッパー系でもそれぞれの違いはあるので、その点は注意して頂きたいです。
そして、建物管理会社の管理状況については建物管理会社はどこ?投資用マンションを購入する際のポイントの記事でもご紹介していますが、現地に行って確認する方法が確実です。